おせちの日持ちする期間は、家庭で手作りした場合と購入したおせち料理では異なります。
では家庭でおせちを作った場合、いつまで日持ちするのでしょうか?
市販のおせちは表示されている賞味期限を守っていれば大丈夫ですが、家庭で作るものは賞味期限がどのくらいなのか気になるところです。
せっかく腕によりをかけて作ったからには、少しでも長く美味しく食べたいですよね。
おせちを手作りした場合にどれくらい日持ちするのか、正しい保存方法とあわせてお伝えしていきます。
Contents
正月のおせち 手作りした場合の賞味期限は?
おせちは冷蔵庫がない時代からのとても古い風習です。
お正月は「年神様」という神様が台所へやってくるため「台所を騒がせないように…」という理由から、三日間台所へ立たなくてもいいように、おせち料理を作ったと言われています。
冬場の常温で三日間は日持ちするよう工夫された料理がおせちというわけですね。
つまり手作りでおせちを作った場合、3~4日が賞味期限です。
年末の12月31日に作ったおせちであれば、1月3日までということになります。
連日おせち料理を食べていると「そろそろ飽きてきた…」と家族から声があがることもありえそうですし、3~4日に食べきってしまうのが理想ではないでしょうか。
けれど、おせちは何種類ものおかずが一挙に集まっているものです。
おせちを全体でとらえたときの日持ちは3~4日間ですが、個々のおかずの賞味期限はそれぞれ異なります。
3日もたたずに食べてしまった方がいいものや、4日を過ぎても食べられるものもあります。
次項では、おかずごとの日持ちについて詳細をお伝えします。
おせちの手作りおかず 日持ちはそれぞれどれくらい?
おせちのおかずには、煮たり焼いたり甘かったりしょっぱかったり、調理法や味付けの違うものが揃っています。
それらは少しでも長く食べられるようにという日持ちの工夫ですが、素材や調理法や味付けで賞味期限に差が出てきます。
賞味期限の長い順で並べると以下のとおりです。
1.佃煮
2.酢の物
3.煮物
4.焼き物
つまり焼き物や煮物を先に食べて、酢の物や佃煮は後半に食べるのがベストということになります。
では、それぞれのおかずはどれくらい日持ちするのでしょうか。
※以下いずれも冷蔵庫内で保存した場合
佃煮:7~10日程度 酢の物:7日程度 煮物:4日程度 焼き物:2~3日程度
また上記に必ずしも当てはまらない料理については、以下のとおりです。
伊達巻き:7日程度 錦糸卵:2日程度 栗きんとん:2~4日程度 きんぴら:7日程度 生もの全般:1日
なます:3日(魚が入っている場合は1日)
おせち料理は濃い味つけにすることで日持ちを良くし、保存期間を伸ばそうという工夫がされています。
そのため薄味にしている場合は、そのぶん日持ちせず保存期間が短くなるということです。
ご家庭でおせちを手作りした際、味つけが薄い場合には前述した日付よりも早めに賞味期限がくると考えてください。
おせちを手作りした場合の保存場所や保存方法は?
おせち料理がおかずによって日持ちする期間が違うことをお伝えしましたが、それぞれの保存場所・保存方法についてもお伝えしたいと思います。
保存場所
どのおかずであっても、冷蔵庫に入れて保存することをおすすめします。
重箱ごと冷蔵庫に入らない場合は、お皿など平たい器に移し替えてください。
おせち料理は冷蔵庫のない時代から食べられていたとお伝えしましたので「じゃあ冷蔵庫に入れなくても大丈夫でしょう?」とお思いになるかもしれませんが、
昔と今では環境がだいぶ違うため、必ずしも常温でOKというわけにはいかなくなっています。
昔はどこの家庭も暖房器具のない木造の家でした。冬場は家の中が5度以下であることが普通だったのです。
室内でも寒くて冷えているので常温保存が可能でした。
しかし現代はストーブやエアコンなどがあるため、家の中が暖かくなっています。
家全体の温度が5度以上ある場合があり冷えている環境とはいえないため、おせちを常温保存することはおすすめできません。
ただしお住まいの地域によっては、5度以下の冷えた場所があるご家庭もあるでしょう。
北海道など北国ですと、廊下や玄関などは冷えていて2、3度だったりするようです。
そういった場合は常温での保存は可能ですので、温度を計って確認してみてください。
現在は一年中、食中毒が発生する時代です。おめでたいお正月にお腹を壊してしまわないよう、おせちの保存場所には十分にご注意ください。
保存方法
おせち料理を保存方法は、基本的には密封容器に入れたり、お皿にラップをかけて冷蔵庫で保存すればOKです。
また、少しでも日持ちさせるコツは、清潔な菜箸で料理をとることです。
家庭内では直箸で料理をつつきがちですが、おかずが傷みやすくなってしまいます。
きちんと菜箸で個々に取り分けるようにしましょう。
そして、おかずによっては冷凍保存も可能です。
保存方法に注意が必要なものや、より適した保存方法がありますのでご紹介します。
- だしまき卵
だしが多く入っているため、あまり保存性がよくありません。
必ず冷蔵庫で保存し2日程度を目安に食べきってください。
冷凍保存する場合は、一切れずつラップにくるみ保存袋に入れてください。
食べるときは前もって冷蔵庫へ移して自然解凍します。
- 黒豆
容器に煮汁ごと入れて冷蔵庫で保存しましょう。翌日になると味がなじんでより美味しくなります。
日持ちは5日程度ですが火入れをすれば7日程度までOKです。小分けして冷凍保存すると1ヶ月程度日持ちします。
- 栗きんとん
日持ちは2~4日程度ですがレモンの汁を入れると3~5日までのびます。
レモン汁を振ることで色も鮮やかになる効果があり一石二鳥です。
- かずのこ
冷凍保存ができないと思われがちですが、やや味が落ちるものの可能です。
1本を3~5切れくらいにしてラップで巻いてから密閉できる保存袋へ入れて冷蔵保存してください。
食べるときは冷蔵庫に移して自然解凍します。
しかし傷みやすい食べ物なので糸がひいていたりヌメヌメしている場合は無理に食べないでください。
- 煮もの
水気が多いので冷凍保存に向いていません。
そもそも煮物に入っている筍やこんにゃくが冷凍に不向きですので、食べる分だけ重箱へ入れたら残りは必ず冷蔵庫で保管してください。
4日程度は日持ちしますが、その間に1日1度は火を通し、冷やした後でまた冷蔵庫へ入れてください。
なお里芋は傷みやすいので入っている場合には注意しましょう。
匂いや食感に少しでも異変を感じたら食べないでください。
- 昆布まき
密閉できる保存袋に入れて保存します。可能なかぎり空気を抜いて冷蔵庫のチルド室で保存してください。
冷蔵保存も可能です。食べるときには自然解凍してください。
- 伊達巻き
表面が乾いてしまうと味が落ちてしまうため、ラップにくるむか密封容器に入れます。
可能なかぎり空気に触れないようにしてから冷蔵庫で保存してください。
- なます
魚が入っているなますの場合は即日で食べきってしまうのがベストです。
魚が入っていない場合は保存容器へ入れて冷蔵庫で保存すると3日ほど日持ちします。
- 焼き海老
冷蔵庫で2~3日保存できますが、1日に1度軽く火を通してください。
火を通しすぎると固くなり味が落ちてしまうので、なるべく早めに食べることをおすすめします。
甲殻類は傷みやすいので、家の中に5度以下の冷えた場所があったとしても冷蔵庫で保存したほうが安全です。
- 魚の幽庵焼き
容器に入れて冷蔵庫で2~3日保存できますが、その間は1日に1度は火を通してください。
魚は傷みやすいので、家の中に5度以下の冷えた場所があったとしても冷蔵庫で保存したほうが安全です。
冷凍で保存した場合は約1ヶ月ほど日持ちします。
尚いずれにおいても、おせちの料理に以下のような異変があった場合には食べるのはやめてください。
・作ったときと違う匂いがする
・糸を引いている
・ヌメヌメ、ネトネトしている
・水気のない料理はのに水分が出ている
・酢を使っていないのに酸味を感じる
・カビが生えている
上記のような異変があるときは決して食べないでください。
無理して食べても食中毒の原因になりますので思いきって廃棄しましょう。
正月のおせちを手作りした場合の日持ちや保存方法まとめ
おせちの料理は日持ちしやすいように工夫されていますが、さらにちょっとしたコツで賞味期限を延ばすことができます。
とはいえ傷みやすいおかずもありますので、油断せずにご注意くださいね。
おせちを食べるときは、傷みやすいものから食べるようにするのがおすすめです。
生もの→焼き物→煮物→酢の物→佃煮
この順番で食べると、日持ちを気にせずおせち料理を味わえます。
おせち料理を適した方法で保存し、おめでたいお正月を家族みんなで健やかに楽しく過ごしてくださいね。
あなたにとって新年が幸多き年となりますように。
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