歯の銀行(ティースバンク)というものをご存知でしょうか?
言葉だけ聞くと「え!?」と不思議に思いますよね。
この歯の銀行(ティースバンク)は文字通り、歯を預けるシステムです。
なぜ・何のために・どのようにして歯を預けるのか簡単にわかりやすく解説していきます。
Contents
歯の銀行とは?どんなメリットがあるの?
歯の銀行とは、2004年に広島大学で事業化された『自分の歯を半永久的に保存しておく』システムです。
特殊なフリーザーを使用して、10年、20年と長期間、歯を冷凍保存します。
これは矯正治療などで健康な歯を抜く場合に、その歯を歯の銀行(ティースバンク)に預けておくというもの。
目的としては、いつか虫歯や老化や事故などで歯を失ってしまった場合に、この預けておいた歯を解凍して再利用するためです。
抜歯後に冷凍保存した歯は、解凍後に移植をして再び植え直すことができます。
歯を失ってしまった場合、これまでは入れ歯やインプラントなどで歯の代用をしていましたが、
そういった人工物よりも、歯の銀行に預けていた歯を移植することで「噛みごたえ」が戻ってくるのだそうです。
その他のメリットとしては、事件・事故・災害時においてDNA鑑定による個人の特定がスムーズになること。
そして歯の幹細胞を活用して、将来の病気治療に役立つ可能性があるということです。
矯正治療などで抜歯
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フリーザーで歯を凍結(-150度)で保存
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必要な時期が来たら解凍
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インプラントや入れ歯の代わりに抜けた部分へ歯を移植
「こんなことが可能だったとは!」と驚いてしまいますね。
いつまでも自分の歯で食事ができるということなので、歯の銀行(ティースバンク)に魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。
30~40万円するインプラントより値段も安いとなるとメリットばかりのように感じます。
しかし歯を預けることには、デメリットもあります。
それは自分の歯を長期間保存しておいても、必ずしもその後に自分の歯を失わない場合です。
思いのほか生涯、自分の歯が健康かもしれません。
そうなると費用をかけた意味がなくなってしまうので、その点はよく留意しておく必要がありそうです。
歯の銀行Q&A
- 健康保険は使える?
⇒ 使えません!患者の負担になります。
- 最長で何年預けられるの?
⇒ 設備にもよりますが最長40年です。
- 家族に移植できる?
⇒患者本人へしか移植は行えません。
- すぐにでも歯を預けたい!
⇒抜歯前に血液検査が必要です(感染症の有無をチェック)
歯の銀行とは 費用は高い?
先日、テレビ番組で歯の銀行(ティースバンク)が紹介されました。
あなたもご覧になったかもしれませんが、番組では『20年の保存で20万円、移植するのに20万円』と費用について放送していました。
しかしこちらの値段は、おそらく東京都内の歯医者さんでの金額でしょう。
当サイトで調査して判ったのは、歯の銀行へ歯を預ける費用は地域・歯科医院によって異なるということです。
例えば神奈川県、群馬県、静岡県、のとある歯医者さんでは、以下のような価格設定でした。
- 神奈川県の某歯科医院
1歯 10年保存 88,000円(税込)
- 群馬県の某歯科医院
1歯 20年保存 123,000円(税込)
- 静岡県の某歯科医院
1歯 40年保存 130,000円程度
テレビ番組で聞いたよりは安いですよね。
決して安いところばかり選んでここへ掲載しているわけではなく、たまたま調査している中で見つけた情報が上記のような内容だったということです。
つまり歯科医院によっては、理想の費用で対応してくれる可能性があるということになります。
もしあなたが、歯の銀行(ティースバンク)でご自分の歯を預けたい場合は、より多くの歯科医院を調べてみることをおすすめします。
歯の銀行(ティースバンク)を扱っている歯科医院の公式HPを確認すると、詳しい費用が掲載されていますよ。
歯の銀行はに預けられる歯ってどんな歯? 過去に抜いた歯って再利用できるの?
さて歯の銀行(ティースバンク)には、どんな歯でも預けられるのでしょうか?
そして将来、どんな歯でも移植することは可能なのでしょうか。
答えは残念ながら、NOです。
歯の銀行(ティースバンク)へ預けることが可能なのは、移植による生着が可能な健康な歯に限ります。
歯周病の進行した歯は移植できません。
具体的にどんな歯が移植可能かというと、上下の親知らず、歯列矯正で抜歯される上下の小臼歯が保存の対象となります。
そして過去に抜かれた歯は、歯根膜が乾燥して死んでしまっているため冷凍保存することができません。
もちろん移植することもできないということになります。
歯の銀行とは 費用は高い?過去に抜いた歯って再利用できるの?まとめ
抜いた健康な歯を捨ててしまうのは、もったいないないですね。
メリットもデメリットもありますが、自分の歯を再利用するという画期的なシステムであることは確かです。
もしも抜歯する予定があれば、検討してみるのもいいのではないでしょうか。
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